- 2005年2月28日 23:59
- Diary
某所へ機材を返しに。面倒。
わりと早い時間の電車はやっぱり混んでいて、乗り込めないわけではないけれど通勤スキルがマイナスになっている今のおれにはどう考えても乗り込めない急行をやり過ごして各駅停車へ。ほどほどに混んでいて、隣の人の体温を感じない程度にはすいている。
その車中にて。
納豆巻きを食べる女のコ。20歳そこそこだろうか、デイパックを背負って、ニットキャップをかぶって。まあその、フツーな感じの。そんなコが電車で納豆巻きだ。漂うノリ臭と納豆臭。そして彼女の食べ方が面白くて。
納豆巻きを一口食べ、それを口から離すと口と納豆巻きの間には“みょーん”と糸が引くわけで。
そのコは口内の納豆巻きを咀嚼しながら、その“みょーん”となった糸を、空いている左手(コンビニ袋が下がっている)でくるくるッと巻き取るのだ。車中に差す日の光が納豆の糸をキラキラッとさせる。
パクリ→みょーん→くるくる。
パクリ→みょーん→くるくる。
おれは彼女のそんなプロセスをなんとはなく眺めていたのだけれど(たぶんおれ以外も)、彼女は特に意にも介さない様子で、パクリ→みょーん→くるくるを繰り返している。
というか一口がちっちぇえ! 女のコらしく(?)ちまちまと食べるから、自然とパクリ→みょーん→くるくるの回数も多くなる。そんなにちまちま食うぐらいなら電車で手巻きモノなんて食うなよ! と思わず突っ込みたくなるぐらいの一口なのだ。
といっても納豆巻きとて有限。その後も何度かパクリ→みょーん→くるくるを繰り返し、彼女はついに食べ終わった。
何となくホッとしていると(車内の空気もホッとした、ような気がした)、彼女は左手に提げていたコンビニ袋をガサゴソガサと漁りはじめるのだった。まさかお代わりなのかッ! 一気に緊張するおれ(と車内のその他の皆さん。たぶん)。
しかし彼女が取り出したのはお茶だった。ほ。ところが、お茶を飲み干した(300ml一気。それもすごいけど)彼女はまたコンビニ袋を漁るのだった。すでにおれは見ていた。半透明の袋の中にあるものが円柱型、つまりきっと手巻きモノ系であることを。ドキドキ。もしかして納豆巻きアゲインなのかッ! また緊張するおれ(とその他のみなさん。たぶん)。
サラダ巻きだった。
彼女が張り切って巻くノリがぱりぱりと音を立てる。ノリとマヨネーズのニオイがほんの少し車内に漂う。おれは開きかけの文庫本に没頭することにした。
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